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2024/03/20

原初に思いを馳せる

野口体操を作った野口三千三は、「からだの主体は脳ではなく、体液である。」と言った。
野口三千三はかつで東京藝大で体操の授業を教えていて、生徒たちからはコンニャク体操と言われていたそうだ。

地球で最初の生命体と言われているのはアメーバのような「コアセルベート」といわれる生き物。
まだ、脳も内臓も筋肉も骨もなく、あるのは体液とそれを包む膜だけだった。
この生き物が、私たちの遠い先祖らしい。
この生き物に私たちのルーツがあることにピンとこないかもしれないが、私たちの身体にその名残はたくさんある。
ヒトの身体の約60%が水分と言われ、あらゆる内臓、骨、筋肉、皮膚が頑丈な膜で覆われている。
自分の身体を引き裂いて、身体の内部を覗いた者などいないから、自身の身体の中が実際どうなっているか見たことは無く、普段生活していてイメージすることはないと思う。
直接身体に触れることが仕事の自分にとって、目に見えていないその身体の内側までイメージすることの重要性をより強く最近考えている。
どんな細胞・組織も十分な体液(血液、組織液)に満たされてはじめて生きたエネルギーを通わす。
そんな「イメージ」と、「感覚」を養っていきたい。

原初に思いを馳せる2
原初に思いを馳せる2
原初に思いを馳せる3
原初に思いを馳せる4

2024/02/28

硬いことが悪ではない

硬いものを柔らかい状態にする。
この仕事の基本であり、シンプルな課題でもある。
あらゆる組織が拘縮すれば、しかるべき細胞に届けなければならない栄養素が届けられにくくなる。
こうした状態を避けることが、未病につながることは間違いないだろう。
日々、人の身体に触れていて、身体のあらゆる部分を柔らかくすることが全て良いわけでは無い気がしている。
その方の、今の生活の状況に合わせてある程度の緊張が身体にあったほうが良い場合もある。
働き盛りの男性などは、身体がぐにゃぐにゃの状態よりも外圧に侵されず、跳ね返すくらいの強さが身体に必要だったりする。その逆に、女性によくみられる首・肩まわりの過緊張が頭痛やメニエール病などの原因となるように、もう少し柔らかい状態であったほうが良いと思う。
硬さも柔らかさも自然の理にかなったものなら良いように思う。そこから逸脱した状態が不自然な症状として立ち現れてくる。つねに隙間をつくり風通しの良い身体にしておきたい。

硬いことが悪ではない2
硬いことが悪ではない2
硬いことが悪ではない3
硬いことが悪ではない4

2024/02/22

感覚を道標に

「感覚は道標」っていい言葉ですね。
ロックバンド・くるりが昨年出したアルバムのタイトルです。
理屈って硬い。自分の中に硬い枠みたいなものがあって外していきたい。
もっと広がっていきたい。
施術においても、見立てや決めつけ、理屈が邪魔して狭くしてしまっている。
人の身体は入れ物。うつわ。その内側にあるものが表面の入れ物にも現れてくる。
ひとの身体に触れる時、思考に固まらず、出来るだけまっさらな心で感じ取りたい。
意志さへ持たず、流れるままに。感覚を道標にして。
2月がもうじき終わります。暑くなったり、寒くなったり、これも自然。抗わず、順ずる。

感覚を道標に2
感覚を道標に2
感覚を道標に3
感覚を道標に4