野口体操を作った野口三千三は、「からだの主体は脳ではなく、体液である。」と言った。
野口三千三はかつで東京藝大で体操の授業を教えていて、生徒たちからはコンニャク体操と言われていたそうだ。
地球で最初の生命体と言われているのはアメーバのような「コアセルベート」といわれる生き物。
まだ、脳も内臓も筋肉も骨もなく、あるのは体液とそれを包む膜だけだった。
この生き物が、私たちの遠い先祖らしい。
この生き物に私たちのルーツがあることにピンとこないかもしれないが、私たちの身体にその名残はたくさんある。
ヒトの身体の約60%が水分と言われ、あらゆる内臓、骨、筋肉、皮膚が頑丈な膜で覆われている。
自分の身体を引き裂いて、身体の内部を覗いた者などいないから、自身の身体の中が実際どうなっているか見たことは無く、普段生活していてイメージすることはないと思う。
直接身体に触れることが仕事の自分にとって、目に見えていないその身体の内側までイメージすることの重要性をより強く最近考えている。
どんな細胞・組織も十分な体液(血液、組織液)に満たされてはじめて生きたエネルギーを通わす。
そんな「イメージ」と、「感覚」を養っていきたい。