硬いものを柔らかい状態にする。
この仕事の基本であり、シンプルな課題でもある。
あらゆる組織が拘縮すれば、しかるべき細胞に届けなければならない栄養素が届けられにくくなる。
こうした状態を避けることが、未病につながることは間違いないだろう。
日々、人の身体に触れていて、身体のあらゆる部分を柔らかくすることが全て良いわけでは無い気がしている。
その方の、今の生活の状況に合わせてある程度の緊張が身体にあったほうが良い場合もある。
働き盛りの男性などは、身体がぐにゃぐにゃの状態よりも外圧に侵されず、跳ね返すくらいの強さが身体に必要だったりする。その逆に、女性によくみられる首・肩まわりの過緊張が頭痛やメニエール病などの原因となるように、もう少し柔らかい状態であったほうが良いと思う。
硬さも柔らかさも自然の理にかなったものなら良いように思う。そこから逸脱した状態が不自然な症状として立ち現れてくる。つねに隙間をつくり風通しの良い身体にしておきたい。